ABOUT
Buy nothing, dig everything.
現代社会は、常に「新しい」ものを求めさせ、消費の欲望を駆動させ続ける。その結果、私たちの手元には使いかけのキャンバスが、アトリエには余剰スペースが、そして工場の片隅には、まだ使えるはずの端材が山と積まれている。これらは「ゴミ」として捨てられ、その価値を見出されることなく、目に見えない社会の片隅へと追いやられ、消えていく。
この現状に、私たちは疑問を投げかけます。
digloが立ち上がった背景には、現代の消費至上主義が、私たちの生活習慣や考え方に与える「構造的な影響」への危惧があります。
と言うとおおげさだけど、「必要に応じて購入し、余ったものは廃棄する」という自明化された流通経路。それは単なる経済の仕組みではなく、私たちの他者との関係性、ひいてはクリエイティビティのあり方までをも規定している。
プラットフォーム型eコマースが生活を極限まで最適化した今、あえて同じ土俵に立ちながら、内側から作り変えていくこと。それによって、消費の先にある「もうひとつの世界」を提示できるのではないか。
私たちはそう考えています。
木材、布、金属、工具——あらゆる制作資材が高騰を続ける一方で、企業や工房の片隅では、まだ使えるはずの端材が大量に廃棄されている。「高くて買えない」と「余って困っている」は、なぜ出会えないのか。
会期が終われば、資材も什器も素材も廃棄される。「環境」や「持続可能性」を訴えるアートの現場で、当の制作プロセスが大量廃棄を生んでいる。
同じ大学にいても、隣の専攻の学生が何を作っているのかさえ知らない。匿名性と「評価」だけで成り立つ取引に慣れた私たちは、信頼に基づく関係を作れなくなっているのではないか。私たちはもっと、身近な「隣人」を頼っていいはず。
「買って、余らせて、捨てる」という一方通行のシステム。digloは3つのステップでその経路をつくりかえます。
余っている資材、工具、アトリエのスペースなど。写真1枚から投稿できます。「譲る・貸す・売る」のどれでもOK。誰かがそれを引き受けるまでは、あなたの手元に置いたままで構いません。それは単なる保管ではなく、あなたの空間を、社会に開かれたオルタナティブな倉庫へと変える行為です。
ネジが5個だけ欲しいとき。Amazonで買う前に、まずは近くの誰かが持っているものから探してみる。“diglo”を通して、都市や大学のインフラに隠された素材をdigってください。
使いたいものが見つかったら、メッセージで直接相談。大学内や同じ地域など、顔の見える距離での対面手渡しを基本とします。匿名性に支配された時代に、信頼ベースのつながりのきっかけになりますように。
資本主義は「新しい」を強制する。
その回路を、私たちの手でほどく。
新品を買わなくても、近くの誰かが、もう持っている。トップダウンの巨大なシステムに寄りかかるのではなく、ボトムアップで。既存の流通の外側に、つくる人たちの新しい経済をつくりたい。
digloが目指すのは、効率的な売買ではありません。私有と消費のサイクルを抜け出し、素材や道具を「融通し合う」関係をデジタルでアップデートする試みです。
既存の体制を疑い、別の回路を提示すること。それこそが、アーティストや表現に関わる人たちが続けてきた実践であり、digloのスタンスです。
顔の見える信頼のもとで、つくる人どうしが地続きで支え合う、新しい共同体のあり方を提案します。
| 既存のC2Cサービス | diglo | |
|---|---|---|
| 探し方 | 目的物を検索する | 偶発的な発見 |
| 取引の基盤 | 評価システム・匿名性 | 信頼・共感・対面 |
| 収益モデル | 手数料・広告 | パートナーシップ |
| 思想 | 効率的な売買 | 循環・共同体 |
digloはユーザーから利用料を取りません。邪魔すぎる広告も出しません。「digloの理念に共感すること自体が企業のブランディングになる」——その信念のもと、先進的な価値観を持つパートナーとの共鳴によって、無償提供を実現したいと考えています(募集しています!)。
企業とのパートナーシップ
資材メーカー・工房・美術館財団との協賛。余剰在庫の提供と掲載を通じて、社会貢献とブランディングを両立できます。
大学とのパートナーシップ
美術大学との連携。学内告知や資材提供を通じて、学生の制作活動と、安全な資材循環の場を支えます。
助成金とパトロン制度の実験
東京都の関連プログラム等を想定し、申請を予定しています。理念に共感する個人サポーター向けの限定特典やイベントを通じて、共同体を活性化します。
規模の拡大(スケール)を目指すのではなく、共感をベースにした輪を広げていくこと。企業も、大学も、個人も、ここではすべてが対等なフラットです。「自分たちの手で場を作っていく」という手触りを持つ人々が増えるほど、そこかしこでdigloの場が自発的に生まれていきます。
オンラインを、オフライン(現実の生)を豊かにするためのハブにすること。監視、評価、広告にハックされた現代のウェブから距離を置き、顔の見える信頼に基づくネットワークをもう一度つくり直す。インターネットが本来持っていたはずの、自由で創造的な解放区を私たちは信じています。
新品を消費するよりも、近くの隣人から手に入れるほうが豊かでは?日々の生活のなかで「出す・digる・つなぐ」が当たり前の呼吸になっていく社会。巨大なシステムに依存せず、他者を信頼し、共に生きていくための土壌を世界中へ広げていくこと。それこそが、digloが描くアナキズムの具体的な実践です。

Vision | Planning | PR
1998年生まれ。立教大学社会学部卒業。新卒でIT広告会社にて、クライアントの広報・PR施策を年間計画から実施まで担当。2024年、東京藝術大学大学院 国際芸術創造研究科(GA)修士課程に入学。毛利嘉孝研究室で社会学・メディア文化研究に取り組む傍ら、展覧会制作やキュレーションに従事。個人メディア「pebbles magazine」を主宰。プラットフォームが持つアナーキーな共同体づくりへの関心から、digloの立ち上げに至る。